本記事では、WANDSの『大胆』について語りたいと思います。
TVシリーズ特別編集版「名探偵コナンvs.怪盗キッド」のテーマソングです。
ものすごく大事なことなので確認させていただきたいのですが、『大胆』の歌詞に出てくる「君」は、コナンくんのことなんですか?大事なことなのでもう一回聞きますけど、コナンくんのことなんですか?
と、WANDS様に確認したくなった人は私だけではないはず。
WANDS様ご本人達に直接聞けるはずもないので代わりにGoogle先生に聞いてみたところ、TVシリーズ特別編集版の公式サイトにコメントが載っていて、柴崎さんが「曲中はコナン君、怪盗キッド二人の心の動きをドラマティックに描けたら良いなと思って作りました」と仰っていました。つまり「君」とはコナンくんのことだと…?エッ……あなたご自分で何を言っているのか分かってます?(理不尽)
いざ答え聞かされると反応に困る…だってそうなるとだってヤバいんだもん(動揺)
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『大胆』
作詞 上原大史 氏
作曲 柴崎浩 氏
月明かり照らす夜が
この心騒つかせる
何度目だろう また悪夢が無邪気に
想いを阻んでゆく
何度でも受けて立つさ
たとえば命が尽きたとしても
来世で取り返してやる
1番Bメロまでです。キッドの活動目的に掛かっていると思われます。「月明かり照らす夜が この心騒つかせる」のは、月明かりがいつか真実を暴きだすから。ビッグジュエルがパンドラかどうかを明らかにしてくれる月明かりは、否応なくキッドの心を騒つかせてしまうのでしょう。あくまで表には出さずに。
「また悪夢が無邪気に 想いを阻んでゆく」…普段飄々としてるのに悪魔に苛まれる系の怪盗、控えめに言って“良い”ですね。
あと「取り返してやる」が可愛い。
大胆に君の心を拐って
夜の風に乗り 輝ける星へ
いつだって空を駆け抜け 迎えに行くよ
どんな宝石さえも霞むような 君を––––
サビ、歌詞があまりにもキッドすぎる。キザでハートフルな怪盗さんすぎる。メロディーも疾走感と浮遊感があり、まさしく『大胆』な感じ。キッドにピッタリです。
「君の心を拐って」は、予告状を出してコナンくんの興味をひくことでしょう。コナンくん本人もノリノリで現場に乗り込んでますからね。そして、そんなコナンくんのもとへ空を駆け抜けて現れる。それを「迎えに行くよ」って言ってるのがとてもキッドらしい。というか、実際に迎えに行ってたときありましたよね。記憶に新しいのは、劇場版『紺青の拳』で京極さんとのバトル中にナイスアシストしたアーサーくんもといコナンくんのことを迎えに行った、あの場面でしょう。筆者は、キッドに抱えられて空中飛行のお供するコナンくんが大好物です。
「どんな宝石さえも霞むような君を」て…ちょ、おま……
キッドは、何をもってコナンくんのことを“どんな宝石さえも霞むような君”と表現しているのでしょうか。自分とは相容れぬ、探偵としての真実を追い求める生き様でしょうか。はたまた、どんな真実であれ見通してしまうブルーサファイアの如き瞳でしょうか。何にせよ、キッドにとってはどんな宝石よりもコナンくんが輝いて見えているということですか…そうですか…(瀕死)
遠い街 向かう途中
濡れる頬を拭いながら
虹彩に映り込んだ 幾千の星が
やるせない過去 溶かすように
やれるまで やってやるさ
たとえば世界が滅びたとしても
必ず取り返してやる
2番Bメロまでです。空を駆け抜けるキッドは、障壁物もなく星空を観察し放題なんですよね。ときには幾千の星を目の前にして感傷に浸るなんてこともあるのでしょう。
相変わらず「取り返してやる」が可愛い。
大胆に君の心を拐って
鳥のように翼を広げながら
いつだって空を駆け抜け 迎えに行くよ
どんな哀しみさえも癒すような 君を––––
やっぱりどちゃくそカッコいいサビです。
「鳥のように翼を広げながら」は、ハングライダーを広げて空を駆け抜けているということでしょう。
「どんな哀しみさえも癒すような君を」て…ちょ、おま……
キッドにとってコナンくんは好敵手でありながら哀しみを癒す存在になっているということでしょうか。いや、好敵手だからこそ哀しみが癒せるのか?まあでもコナンくんセラピーって本当にありますからね。復讐に燃えていたエレニカの心をそっと溶かした実績があります。抱きしめることで。
何があろうと
どんな壁があろうと
君の事を もう離さない
この悪夢から 連れ出して
Cメロです。これより前まではポーカーフェイスを崩さず常に大胆不敵な笑みを浮かべているキッドを想像させるような歌詞でしたが、ここのCメロでキッドはポーカーフェイスを少し崩している感じがしませんか?大抵の人には分からないようなその変化でも、コナンくんは憂いのような何かを読みとる。そしてキッドはそのことを分かっている。それでも見せちゃう。「この悪夢から 連れ出して」って。ヒィ〜
再び、劇場版『紺青の拳』を思い出しました。今度はアーサーくんもといコナンくんに発明品を返し、真実を解き明かしてくれと頼んだあのシーンを。
普段飄々としてるのにふとしたときに翳りを見せる系の怪盗、すこぶる“良い”ですね。
大胆に君の心を拐って
夜の風に乗り 輝ける星へ
いつだって空を駆け抜け 迎えに行くよ
この光は渡せない誰にも
どんな宝石さえも霞むような 君を––––
ラスサビです。
ここで初登場のフレーズがありますね。
「この光は渡せない誰にも」
ん〜〜〜?????
自分の好敵手はコナンくんだけだ。コナンくんが他の誰かと対決するなど許さんぞってコト?!この怪盗さん独占欲がお強いことで…というより、コナンくんが罪深き男すぎるんですよね。仕方ない。
ちなみに「光」と書いて「かがやき」と読みます。ニクいね、WANDS!
キッドにとって、コナンくんは悪夢から連れ出してくれる“““光”””なんだ………
そりゃあどんな哀しみさえも癒してくれるはずですわ…
総集編映画の予告映像で1番のサビ部分を何度も聴いていましたが、初めてフルで聴いたときリアルに声出ました。「えっ」って。だっておかしいもん。こんなことあるはずないもん。オタクの妄想みたいな歌詞がどちゃくそカッコいい曲で現実になるはずないもん。大泥棒×名探偵の軌跡振り返り映画のテーマソングになるはずないもん。
それにしても、作詞の上原大史さんのキッドとコナンくんに対する解像度ヤバいですね。それをドラマティックに仕上げた作曲の柴崎浩さんもヤバい。ここで言う「ヤバい」は“「素晴らしい」を超越した何か”です。ご承知おきを。
今回の『大胆』然り『RAISE INSIGHT』然り、WANDS様に胸熱コンビを歌わせたらピカイチですね。これからもずっとコナンに携わっていてほしいです。そしていつか劇場版の主題歌も担当していただきたい…!